これまでがんというのは、遺伝子変異によって制御されないがん細胞があり、それが増殖したり、転移したりすることで体内に広まっていくと思われていました。しかし、がん研究が進み、がん細胞の中に、「循環腫瘍細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)」と「循環幹細胞(CSC:Circulating Stem Cell)」というものが微量ながら存在することが分かったのです。そして、このCTCとCSCが血中を巡り、他の部位や臓器に転移したり、細胞増殖し、完治したと思っていた病状を再発させていることが判明しました。これにより、これらの循環腫瘍細胞と向き合わないと、切除しても、転移や再発の可能性が残ります。しかも、転移・再発後の治療は、最初の摘出手術等よりも遥かに難題でエネルギーを要します。
このことにより、更に治療をするべき標的が分かったため、従来の治療に補足を加えることが検討できるようになりました。
この循環腫瘍細胞(CTC)と循環幹細胞(CSC)を調べることができるCTC検査では、血中の循環腫瘍細胞の数などを測定することにより、再発・転移の可能性、予後の予測、術後にどれくらい治療が必要かの判断の目安が得られます。
例)
CTCの数値が3未満:慢性疾患として、がんとの共存の可能性が高い
CTCの数値が5未満:何らかの治療の継続を検討することが望ましい
CTCの数値が5以上:手術が成功であっても、予後が悪い可能性があるため、さらなる治療への積極的な試みが望ましい
がんになると治療は厳しく、根治は難しいといわれますが、それはなぜでしょうか。それは、がん細胞は賢く、次のような能力を有するからです。
このような悪性の能力を有するがん細胞。これに対して、現在行われている化学療法の奏効率は5%~7.5%くらいであるという報告があり、これは文献や妥当性のある確認方法によって判明しています。
※参考文献:Royal North Shore Hospital Clin Oncol(R Coll Radiol)2005 Jun:17(4):294
手強いがんへの対処法として、本当に治療すべき標的である、患者様個人個人の「循環腫瘍細胞(CTC)」と「循環幹細胞(CSC)」を検証するR.G.C.C.社の検査により、(1)抗がん剤、分子標的、小分子製剤の効果判定と、(2)個人個人のがんの循環細胞の性格、病態が分かるため、予後の予測ができます。
このような、病気の拡大要因が判明するため、欧米ではこの検査(2)に基づく、悪い遺伝子の発現を抑制するアンチセンス治療があります。この治療は、火事の火元を消す試みです。
このように、転移・再発に関わるCTC、CSCの詳細が分かるため、緻密な治療につながる可能性が高くなります。また、治療の効果判定がフォロー検査で分かります。
最初にも述べましたが、がん細胞は賢く、がんになると治療は厳しく、根治は難しいといわれています。がんを取り除くことは必要ですが、その後、根治はできなくても、がんが転移・再発しないようリスク管理と、CTCの数値が上がらないようなフォローを続けていくことで、がんと上手に付き合い、共存していくことはできます。
そして、がんと共存していくために何が必要なのかといった検査や、身体に負担をかけないライフスタイルの改善などの情報は日々進化を遂げています。これらを最大限に活用し、自分にあった治療法を探すことが重要です。がんを殺すには、相当なエネルギーと、がん全ての危険な経路に治療を行う必要性があます。
がん治療が上手くいかないと諦めるのではなく、何が自分に合うのかを調べるためにも、自分の体内にあるがんは、どのようなメカニズムで生存しているのか、どの抗がん剤、どの分子標的、どの成分が効果があるのかを検証できるCTC検査をお試しください。
CTC検査などの詳しい資料は、受診病院、クリニックにお問い合わせください。